「ジュプトルとお嬢。2匹は今ここに居る……。
お前たちを倒せば全てが終わる。ジュプトル。お前の儚い希望も含めて……全てがなッ!ワハハハハハハハハハハハハッ!」

―――許せない!
記憶の中の“憧れの存在”の微笑みが霞み、目の前の“存在”を受け入れられた時――オイラは叫んでいた。

「……ヨノワールさん……。いや……ヨノワール!」

自分でもわかるほどにその叫び声は掠れていて、しかも唇は震えていた。体中の血が勢い良く流れ、頭がくらりとする。
視界が酷い緊張で揺らぐ。
でも、そんなことはどうでも良かった。
淀む血のように深く、黒き紅の視線に射止められ、恐怖で体が動かなくとも…今自分は叫ばなくてはならない。
否、と。許せない、と。

禍々しい闇がどれだけ自分を覆おうとも、構うものか。
滲んだ瞳の先に居るヨノワールがどれだけこちらを視ようと、構うものか。






大好きな彼女や大切な仲間を傷つけようと
するならば、自分は抗う!